かぶとたいぞうです。
米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国の金利が据え置かれました。また、今後も年内の利上げを見送る見通しが示されました。それを受けてドルは大幅に下落しました。
米国の景気が失速か?
今までは、米国がインフレ気味だったので、抑制のために金利を上げていました。そして、今年も年に1~2回は金利を上げるだろうと予想されていました。これが、まったく金利を上げない見込みに変わったのです。
米国の今後の金利については、むしろ下げるのではないかと見る向きも出てきました。
金利を下げるということは、インフレ懸念が無くなり、むしろ景気の失速を心配している可能性があります。米国の経済は失速しているのでしょうか。
各種統計を見ても、良いもの、悪いもの、まだら模様です。逆に言えば、良い統計ばかりではないということです。米国経済が失速している可能性も確かにあります。
利上げをストップすると今後どうなるか
今まで上げていた米国の利上げをストップし、むしろ下げる方向に向かった場合、米国経済はどうなるのか。一般論では次のようになります。
- ドルに金利が付かないので、ドルを売って金利の良い別の通貨を買う人が増える。よってドルが下がる(現在)。
- ドル安は米国の輸出産業(メーカー)に有利となる。
- ドル(預金や債権)の金利より、株の配当のほうが儲かると思って株を買う人が増える。よって株が上がる。
このように、米金利が横ばい、または下がれば米国株は上がるという図式が成立します。
しかし、利上げをストップ、または今後下げようとする理由が、「インフレ懸念が後退したから」であれば何も問題がないのですが、「景気が失速したから、あるいは景気後退におちいったから(景気のテコ入れのために金利を下げた)」のであれば、まったく違う展開になります。
景気後退(リセッション)になると株価は下がる
景気が後退すると株価は下がるのです。
ただし、必ずしもインフレ=好景気とは限らないし、デフレ=不景気とは限りません。
今の日本のように、景気が後退する中でインフレに向かっている(スタグフレーションと言います)国もあります。逆に、景気が順調なのにインフレが止まり、物価が安定または下落することがあってもいいのです。
しかし、歴史を見ると、インフレが終わり利上げをストップし、さらに金利を下げていくような時は、その後景気後退が鮮明になり、株価が急落するパターンのほうが多いのです。
米国株大暴落のシナリオ
今は世界経済が失速しています。世界はグローバルに繋がっていますから、米国だけが好景気であり続けることは困難です。
米国の今回の利上げストップも、一時的には米国の株価を上げるでしょう。しかし、その後もずっと株価が上がり続けるとは限りません。
今後米国が利下げをするような話が出てきたとき、ある日突然、米国株が音を立てて崩れ落ちるかもしれないのです。
私は当然、虎視眈々とその日を待っています。
今の米国株市場は、春の湖で解けかかった氷の上を歩くようなものです。日差しも良く気分がいいのですが、いきなりズドンと落ちるかもしれないのです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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