かぶとたいぞうです。
むかし、ニトリの似鳥昭雄さんから「米国の住宅市場を見れば世界経済の今後を見通せる」と教えてもらいました。似鳥昭雄さんはその後、米国の住宅着工件数の落ち込みと住宅ローンの変化に気づき、リーマンショックを予言、みごとに的中しました。
以来、私も米国の住宅着工件数、住宅建築許可件数は必ずチェックするようにしています。
住宅建設は家具、家電のみならず、土木、建築、インフラ整備など幅広い産業分野に関連需要を呼び起こすので、景気の先行指標になりうるのです。
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6月の住宅着工件数、住宅建築許可件数と分析・考察
さて、昨日発表された6月の米国住宅着工件数、住宅建築許可件数は次の通りです。
住宅着工件数 | 住宅建築許可件数 | |
先月(5月) | 126.5万件 | 129.9万件 |
6月予想 | 126.0万件 | 130.0万件 |
6月結果 | 125.3万件 | 122.0万件 |
先月(5月)の住宅着工件数の結果は、当初126.9万件だったものが、126.5万件に下方修正されています。
米国住宅着工件数の長期推移を示すグラフは次の通りとなっています。
*元データのx軸(横軸)に2015年01月しか表示されていないので、分かりづらいですが、グラフは2012年11月~2019年6月までの期間の推移を表しています。
趨勢は明らかにピークを超え、下降傾向に入っています。しかし驚くほどの落ち込みではありません。
激減した住宅建築許可件数
私が今回驚いたのはむしろ住宅建築許可件数のほうです。予想130万件に対して結果は122万件と8万件もの落ち込みです。6.5%も予想より落ちたのでした。
住宅建築許可は着工前に行うものですから、住宅着工件数のさらに先行指標と見ることができます。
住宅建築許可件数が予想より多ければ、マンションメーカーやハウスメーカーが強気で在庫を増やしていることが分かります。逆に今回のように予想より少なければ、今後の売れ行きを心配して新たな着工を手控えていることが分かります。
米国住宅建築許可件数の長期推移を示すグラフは次の通りとなっています。
*元データのx軸(横軸)に2015年01月しか表示されていないので、分かりづらいですが、グラフは2012年11月~2019年6月までの期間の推移を表しています。
今回の落ち込みは2017年6月以来約2年ぶりの水準です。住宅着工件数の先行指標とも言える住宅建築許可件数が大幅に落ち込んでいるのです。
昨夜の米国株式市場の反応
それを受けて、昨夜の米国市場はダウ、S&P、ナスダックとも下げました。
ダウは開始直後いきなり落ち込み、その後値を戻しましたが後半はジリジリと下げていきました。
しかし、下がり具合は各市場とも0.4~0.6%程度。それほど大きな下落とは言えません。様子見の人が多いのではないでしょうか。
今の米国市場は明るい兆しの経済指標とそうでないものが入り混じり、まだら模様です。
相場の先行きは誰にも分からない
市場関係者も強気路線の者と弱気路線の者が共存しています。ある者は「株価はさらにどんどん上がる」と言い、ある者は「暴落する」と言います。
答えは誰にも分かりません。相場とはそんなものです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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