タイの野良犬について:分類と考察

かぶとたいぞうです。

私は犬が嫌いです。子供の時かまれた経験があり怖いです。ただ、あまり怖がると犬に軽視されるので、犬に出会うと怖がったフリはしません。こちらから威嚇することさえあります。しかし、いつかまれるかと思い、内心はいつも怖いです。

その私が、パタヤである野良犬と仲良くなりました。





タイの犬は全て野良犬

タイでは犬を「飼う」という習慣がありません。だから基本的に全ての犬は野良犬です。犬を飼う人はいませんが、タイ人はみんな犬に餌を与えます。つまりみんなが犬を飼っていると言ってもいいのかもしれません。

別の言い方をすると、犬をかわいがる人は多いですが、所有する人はいないということです。一部の欧米人が室内犬を飼っていますが、それを除けば、タイの犬は誰の所有物でもありません。犬には主人がいません。タイの犬は誰にも所有されず、自分の意思で生きています。

だから、タイでは首輪をしている犬、鎖につながれた犬を見たことがありません。

タイの仏教では、いろいろな方法で徳を積むことが奨励されています。犬に餌を与えることも徳積みの1つだとされています。だからいろいろなところに犬用の餌が置かれたりしています。タイでは犬が飢え死にすることはありません。

私が仲良くなった野良犬サムディ

私が仲良くなった野良犬は「サムディ」といいます。野良犬なのに名前があります。みんながそう呼んでいるのです。

私がいつもいく庶民食堂の前に常にいます。私が気に入ったのか、私が行くといつも寄ってきます。私にすごくなついています。食べ残しの肉の骨などをあげると喜びます。

食堂の主人「ドン」が、「あまり餌をやるとプンプイ(デブ)になるから」と言いますが、ついつい餌をあげちゃいます。私が餌をあげるので、私が行けば寄って来るのだと思います。

去年の11月、はじめてその食堂に行った時はサムディに吠え付かれたのですが、その後、2回、3回と行くうちに私を覚えてくれました。

初めのうちは、店の主人「ドン」が餌をやっているのを見て、「ドンが飼っている犬だろう」と思っていました。しかし、タイの野良犬事情を知ってから、そうでない事が分かりました。このへんの住人みんなで飼っているのです。

ドンが言うには、朝方になるとサムディはここから200メートルくらい離れた、ソイ・ブッカオにあるロータス(スーパーマーケット)まで行ってそこで餌を食べているそうなのです。

ドンが早朝、たまたま用事でそっちへ行った時に偶然見たのだそうです。そこではサムディではなく、違う名前で呼ばれていたそうです。

タイの犬はたくましく、しなやかに、したたかに生きているのです。



タイの野良犬の分類

タイの野良犬には大きく4つの種類があります。

  1. 観光地にいる、完全に人間と融和した野良犬
  2. サムディのように、特定の地域でかわいがられている野良犬
  3. 特定の家の番犬になって、常に吼える野良犬
  4. 人間から追放され野犬化した凶暴な野良犬

犬にも性格があるようで、性格の柔和な順番に上の分類に分かれるようです。

1.観光地にいる、完全に人間と融和した野良犬

特に海など外国人観光客の多いところにいます。人相(犬相?)が良く、ひと目でやさしい犬、おとなしい犬だと分かります。決して吼えません。

人間から痛めつけられたり、傷つけられたことが無いので、人間に慣れています。人間を怖がりません。動きも常にゆっくりで、のんびりです。ストレスがまったく無い感じです。

多くの店や人にかわいがられており、餌に不自由することはありません。

タイ以外にも、中南米のリゾート地など、暖かいところではよく見かけますが、日本でこの種類の犬を見たことはありません。

私は犬が嫌いだと冒頭で述べましたが、この種類の犬は大好きです。日本にいないだけです。

パタヤだとパタヤビーチを歩いていると見ることができます。



2.サムディのように、特定の地域でかわいがられている野良犬

今回私が仲良くなったサムディのような種類の犬です。分類1の人懐っこい犬と似ていて、犬相も良く、性格も柔和なのですが、知らない人を見ると吼えます。

サムディもそうですが、自分のエリア以外の人、見たことの無い人をみると警戒し、吼えて、追いかけます。店の主人ドンなどサムディを良く知るものが「ダメ」といって注意すると吼えたり追いかけたりするのをやめます。

ある意味、エリアの番犬として役割が成り立っているのかもしれません。

同じエリアに似たような役割の犬が何匹もいて仲良くやっています。縄張り意識があり、自分のエリアに仲間以外の犬が迷い込むと一斉に攻撃します。

成り立ちは分かりませんが、海にいる完全におとなしい、性格の柔和な犬とは違い、攻撃性のある犬が特定の人間に受け入れられてそのエリアでのみ人間と親しくするようになったのではないかと推察します。

3.特定の家の番犬になって、常に吼える野良犬

今まで説明してきた犬とは違い、顔も凶暴で常に吼えます。4で説明する野犬と似ていますが、唯一の違いは、常に特定の家の前にいるという点です。

恐らく、もともと凶暴で人間とは親しくなれない性格の犬が、特定の人間にのみ心を開き、番犬になったのだと思います。特定の家の前にいるのだから、日本の「飼い犬」と同じですが、鎖につながずに野良犬のように扱われているのだと思います。「飼い主」も何かの都合で番犬が必要で、お互い共存しているのだと思います。

多少慣れても、家のそばに寄ると吠え付かれます。かんだりはしませんが、怖いです。

出会ったら、ゆっくり後退し、振り向かずに歩いて逃げます。追いかけてきてもそれほどの距離は追いかけません。近くに人がいたら助けを求めましょう。

この種類の犬は常に同じ場所にいますから、犬がいる道(ローカルエリアに多い)を覚えておいて、その道を通らないようにするのが一番です。

パタヤだとソイ・ブッカオより内陸側、サードロード付近の住宅街の小道、サウスパタヤの小道などに多いです。



4.人間から追放され野犬化した凶暴な野良犬

この種類の犬は郊外や田舎にいます。この種類の犬は人間を怖がり、逆に攻撃的で凶暴です。出会わないのが一番です。

恐らく、上記3に該当する番犬にもなれず、または何か悪いことをして人間から叩きのめされ野犬化したのだと思います。

犬相は極めて凶悪。顔や体に傷を持つ犬が多いです。人間を恨んでいます。

私のように歩くのが趣味で、いろいろな道を歩くと必ず出会います。出会ったら、犬から目をそらさず、少しずつ後退したほうがいいです。

追いかけてきたら慌てず、走らず、両手を上に上げて(手をかまれるのを防ぐ)ゆっくり離れましょう。

「ステイ」とか「オーケー」とか言いながら振り返らずにゆっくり歩いていれば、そのうち追いかけるのをやめるはずです。

私が今までパタヤとその郊外を歩いてまとめた野犬マップをご覧ください。そして、そのエリアには近づかないようにしてください。かまれても誰にも求償できません。

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ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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“タイの野良犬について:分類と考察” への2件の返信

  1. こんにちは✋大畑と申します。
    私も何度か野良犬に吠えられいつも近くにいる地元のタイ人に助けてもらいました。
    いちどだけ誰もいなく壁をよじ登り逃げた事があります

  2. 大畑様
    かぶとたいぞうです。
    コメントありがとうございます。

    壁をよじ登りましたか。それはそれで、
    すごい体験ですね。

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