かぶとたいぞうです。
先日テレビを見ていたら、次期総理大臣の有力候補と言われる菅義偉(すがよしひで)官房長官が次のような趣旨の発言をしていました。
菅義偉「今後の人口減少は避けられない」
「どんなに頑張っても今後の人口減少は避けられない、(だから将来的には消費税を上げていくしかない)」
私はこれを聞いた時に、「そうか、日本の今後のさらなる少子高齢化と人口減少は既定路線なのか」と思っちゃいました。
次期総裁の最有力候補と言われている人がそのような認識だということは、政府関係者はみな同じような認識なのでしょう。
少子高齢化による人口減少が諸悪の根源なのに
本来なら人口減少が諸悪の根源なので、日本の次期リーダーなら「少子高齢化に歯止めをかけて、何としてでも人口減少を食い止めなければならない。今後は人口増加策を徹底的に推進していく」と言うべきところなのです。
少子高齢化による人口減少が日本を停滞させている
誰でも分かっていることですが、日本の国力が落ちてきているのは、ひとえに少子高齢化で人口が減ってきているからです。
若い人が少なく年寄りばかりの世の中は、新しいことにチャレンジする活力が不足します。だから日本は今、技術的な面でも社会システムの面でも世界の中でもっとも遅れているのです。
少子高齢化による人口減少が日本のGDPを押し下げている
また、今の年寄りがどんなに長生きだと言っても寝たきりの年寄りは何も買いません。そしていつかは死ぬので人口は減るいっぽうです。次々と新しい子供が生まれないと内需は減るいっぽうなのです。
日本はかつてのような輸出大国ではありません。人口が減って内需が衰えればGDPも落ち込むに決まっています。
人口が増えないと経済は発展しない
世界に目を向けると、なんだかんだ言っても経済成長している国は人口が増えている国なのです。米国も毎年どんどん人口が増えています。
人がたくさんいないと活力も生まれないし、物も売れません。人がいないとビジネスも経済も成り立たないのです。
政府は少子高齢化を本気で解決しようとは考えていないようだ
そんなことは分かっているはずなのに、政府は「少子高齢化」を本気で解決しようとは考えていないように見えます。
それどころか「日本は人口が多すぎる。少し減ってもいいのではないか」みたいなことを言う政府関係者もいるのです。
★★★
人口を減らす政策
人口を減らすのは簡単です。結婚できないようにすればいいのです。子供を産めないようにすればいいのです。
江戸時代の日本は安定した社会を維持するため、人口を抑制する策を講じていました。
江戸時代の人口抑制策
江戸時代の人口比率で圧倒的な数を占める農民や町人を常に貧乏な状態にしておいて、経済的に結婚などできないようにしました。
享保の大飢饉や天保の大飢饉を見ても分かるように、彼らは食うことさえできませんでした。結婚などできるはずがありません。
商家に仕える丁稚、手代などはみな部屋住みなので嫁はもらえません。番頭ぐらいになると借家を借りて嫁をもらう者も出ますが、もう歳なので子供は持てません。
武士も参勤交代にお供する地方の藩の家来は江戸の寄宿舎で暮らし結婚は許されません。
江戸時代は性欲処理サービスが充実していた
彼らの性欲はもっぱら吉原などの廓(くるわ)で処理されるので問題は起きませんが子供はできないのです。
まともに結婚して子供を作れるのは、位の高い武士か庄屋のせがれ、若くして成功した職人やその後継者、大店(おおだな)の跡取り息子、など、ごく一部の人たちだけでした。
正室とは別に何人もの側室
それらのごく一部の人たちは、正室とは別に余裕があれば何人もの側室を抱えていました。
江戸時代の器量のいい女性は、貧乏な男と一緒になるくらいなら金持ちで位の高い男の側室になる道を選びました。
側室の中には子供を生む者もいましたが、絶対数から言うとそれ程の数ではありません。
現代とあまりにも似ていませんか。
現代の状況
今の若者の多くは結局お金がなくて結婚できないのです。非正規雇用者やパート、アルバイトでは結婚は難しいようです。
お見合いパーティーやマッチングサイトに登録しても、職業や年収基準でマッチングしないのです。
政府は対策として保育園や託児施設を作っていますが、まったく的外れです。
企業戦士と言われる大企業のエリートサラリーマンはお金はあっても出張、転勤で結婚する暇はありません。結婚した幹部社員は単身赴任で子供を作るチャンスがありません。
現代は性欲処理サービスが充実している
彼らの性欲はもっぱらススキノなどの風俗で処理されるので問題は起きませんが子供はできないのです。
結婚して子供を生めるのは公務員、若くして成功した青年実業家、本社務めのエリート社員、技術者、医者や弁護士、税理士など特定士業者、など、ごく一部の人たちだけです。
正妻とは別に何人もの愛人
それらのごく一部の人たちは、正妻とは別に余裕があれば何人もの愛人を抱えています。
現代の器量のいい女性も、貧乏な男と一緒になるくらいなら金持ちで位の高い男の愛人になる道を選ぶのです。
愛人の中には子供を生む者もいますが、絶対数から言うとそれ程の数ではありません。
誰でも自由に結婚して子供を産み育てる「当たり前」は短い期間だった
私達は、誰でも自由に結婚して、子供を産み育てるのが当たり前のように思っています。しかしその当たり前ができたのは、つい最近までのごく短い期間だけだったのです。
歴史を振り返れば、民主的に一夫一妻制が機能して、ほとんどの人が結婚できて子供を生むことができた時期はほんとうに短いのです。
大正から第二次世界大戦までのごく短い時期と戦後から高度成長を経てバブル崩壊、2010年くらいまでの時期です。
戦中は夫を戦争に取られ子供が生まれませんでした。逆に戦後は復員兵が自分の女房のみならず、戦没した戦友の女房の面倒まで見たので子供が大量に生まれました。この時の子供が今70才台の「団塊の世代」です。
日本は江戸時代に戻ったのか
今の日本は江戸時代に戻ったみたいです。日本政府はどうも日本の人口を意図的に減らしたいと思っているいるようです。どうしてそんなことを考えるのか私には分かりません。
しかし現象面だけ見ると江戸時代の人口抑制策とあまりにも酷似しています。
江戸時代も今も貧乏人は結婚もできないし子供も作れないのです。
この状態を放置して「少子高齢化」を容認しているところをみると、今後は日本の人口がますます減少すると見て間違いありません。既定路線のようです。
日本の株、日本の不動産、日本の契約先、日本の金融機関、日本の公的年金、日本の保険、日本のあらゆるものに黄色信号が灯っています。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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