【少子高齢化対策】若い男女の結婚を促進し子供を増やす方法

かぶとたいぞうです。

年金問題にしても、高齢者医療・福祉の問題にしても、ひいては財政問題、経済問題にいたるまで、全ての問題の根本の原因は少子高齢化です。

対処療法をいくらやっても少子化、高齢化の問題を真正面から真剣に考えないと、何の問題も解決しません。





高齢化を解決するのは難しい

高齢化の問題は解決しようがありません。誰でも自然に歳をとるし、医療が進めば死亡率は下がるからです。

本当か嘘か分かりませんが、医療の進歩のおかげで日本人の平均寿命は今後100歳にまで延びるらしいのです。そのうちに日本は老人だらけになります。50歳から60歳で死ぬことを想定して作った年金制度が通用しなくなるのは当然です。

老人に早く死んでもらうという政策を積極的に進めるわけにはいかないでしょう。そんなことをやったら現代版「姥捨て山」だと非難されます。団塊の世代の政治パワーは無視できませんから、そんなことを言い出す政治家もいないでしょう。

そうなれば、目を向けなければならないのは当然「少子化対策」のほうです。

解決すべきは「少子化」

少子化は理論的にも現実的にも解決は可能です。

しかし、今までのように「託児所や保育所を増やす」みたいなことを言っているうちは何の解決にもなりません。

託児所の心配をする以前に、子供を生む若い女性が少ないのです。いや、それ以前に結婚する適齢期の男女が少なすぎるのです。

最近結婚するのは年寄りのカップルばかりです。年寄りのカップルがいくら増えても子供はできません。若いカップルが誕生しないと子供は生まれないのです。

若いカップルは「託児所が不足している」から結婚しないのではありません。



外国では未婚の母が多い

日本は中南米やアジアの国々と違って、未婚の子供はいまだにマイナーな存在です。コロンビアやパナマなどに行くと、未婚の若い女性で子供のいる人はいくらでもいます。少し綺麗な若い女性なら、ほとんどが未婚の母と言っても大袈裟ではありません。たいていは子供を田舎の母親に預けてママは街で働いています。

タイにも子供を田舎の両親に預けてバンコクやパタヤの繁華街で稼いでいる若い女性はたくさんいます。バービア(タイのバー)で働く女性のほとんどがそうだと言っても過言ではありません。

彼女らに聞くと子供の父親は何の援助もしないし、また、たいていは援助する力も無いので、最初から期待していない。愛し合って子供が生まれたからそれでいい、と言うのです。

彼女ら若い母親にとって子供は宝です。可愛い存在です。決して子供の父親に「押し付けられた厄介者」ではありません。だから子供の父親への「恨み節」は聞いたことがありません。未婚の母親の親も孫を喜んでいます。

未婚の母の子供は、田舎の両親や親戚、近所の人たちの協力でちゃんと育っているのです。未婚の母はお金を稼いで自分の母(おばーちゃん)にお金を送ります。親も助かります。システムが出来上がっているのです。日本のように責任を押し付けあっている雰囲気は微塵もありません。

コロンビアにもパナマにも、メキシコにもタイにもフィリピンにも、ヨーロッパにも、このような子供がたくさんいます。たくさんいるから子供たちも肩身は狭くありません。

また協力する近所の人たちの中には自分も「ててなしご」だったという人がたくさんいます。だから、まるで自分の子供か兄弟のように食べ物を与えたり面倒をみます。

私がパタヤでよく行く安い食堂の付近にも、あきらかにファラン(ヨーロッパ人)の血が入った小さな子供たちが住んでいて、近所のタイ人に育てられています。まるで父親のように可愛がる近所のタイ人男性を見て、最初「この人が父親かな」と思いましたが、聞いてみると違いました。近所の全てのおじさんが「父親」なのでした。

そして今では、私も子供たちにお菓子をあげたり健康を心配したりしています。

これらの国々には「ててなしご」を家族や親戚、地域で育てるという習慣があるのです。

日本は未婚の母を許容しない

日本にはそのような習慣はまったくありません。そもそも結婚しないで子供を生む人自体が少ないです。世間体が許しません。白い目で見ます。結婚もしないで生んだ子供を未婚の母の親や兄弟、親戚、近所の人が協力して育てているという話は日本ではあまり聞いたことがありません。日本には未婚の母が生んだ子供を許容する力が無いのです。

また、日本では未婚の母側にも子供を他人に預ける許容力がありません。母子2人ぼっちで生活します。他人を寄せ付けません。他人が自分の子供に話しかけたり、ちょっとでも手を出すとむきになって怒る母親が多いのではないでしょうか。あるいは不審者扱いされて警察に通報されます。

日本には未婚の母親側にも周りの人にも「みんなで子供を大事に育てる」という習慣がないのです。



日本では子供を作る代償が大きすぎる

そのような背景もあって、日本では未婚の母は稀です。

むかしは「めかけ」といって、ゆとりのある男性が自分の奥さんとは別に経済的に困っている女性を囲ってあげて子供を作るようなこともありました。たいていは戦争で亭主を失った若妻が対象でした。白い目で見ていた人もいましたが、世間はわりと多めに見ていました。政府に戦争未亡人を養う余裕が無く、代わりに裕福な男性が養っていたのですから。

しかし今ではそんなゆとりのある男性はいません。せいぜい不倫程度。子供まで作る度胸のある男性はいないでしょう。

だから現代の「未婚の母」のイメージはどちらかというと後ろ向きのイメージ、暗い、重苦しいイメージの話ばかりです。

たとえば不倫、もしくはその気の無い男性との間で子供ができる。妊娠した女性は「絶対に産む」「自分ひとりで育てる」といって無理に生む。

その後女性は子供の父親に「子供の将来のために認知だけしてくれ」「迷惑は絶対にかけない」といって認知させる。回りは誰も子育てに協力してくれない。親にまで認めてもらえない。それどころか世間体を気にした親に勘当される。

若い母はしばらくして「やっぱり一人で育てるのは無理」と子供の父親に言い出す。そして月々の養育費を求めて裁判を起こす。認知してしまった父親は養育費の支払いを免れない。子供の父親はたった一回の快楽のために一生を棒に振る。

このような話が伝わり、若い男性は女性が怖くなる。結婚しないどころか女性と付き合うことすらしない男性が増えるのです。

日本では結婚しないと子供は作れない

今の日本では結局結婚しなければ子供は生めません。「できちゃった結婚」であろうが、日本ではとにかく結婚して子供を生むというのが「常識」とされています。きわめて閉鎖的でそれ以外は認められません。

本当は未婚の母が生んだ子供を家族、親戚、地域で一緒に育てる心の広さが今の日本人にもあれば、少子化の問題なんて一発で解決するのです。しかし残念なことに日本人は子供には冷たいのです。口では「子供は宝だ」と言っておきながら、他人の子供には無関心だし、ちゃんと結婚してできた子供でなければ親も兄弟も認めないのです。世間体ばかり気にしています。世間体のために子供を殺すのです。

だから今のところ「少子化」を解決するなら、若い男女の結婚を促進するしか方法はありません。



なぜ日本の若い男女は結婚しないのか

若い男女の結婚を促進するためには、どうして今の日本の若い男女は結婚しないのかを考えることが大事です。

日本の若い男女が結婚しない理由は2つあります。

  1. 結婚する金がないから
  2. 結婚する必要がないから

1.結婚する金がないから

結婚する気もあるし、世間体も気になるし、親も結婚を望んでいるから、適当な相手があれば結婚したいという男女は今でもたくさんいます。その証拠に「結婚紹介所」や「お見合いパーティー」などの商売が繁盛しています。登録者も多いです。

ところがいくら出会ってもカップリングが成功しないのです。成功しない理由は性格でも容姿でも何でもありません。女性が希望する年収に見合わない男性が多いからです。金が足りないのです。

今の女性は現実的です。年収が1000万円以上なんて言う人はもういません。そんな男性が売れ残っているわけが無いことを女性は知っています。

だから年収は400万円以上あたりで妥協しています。しかし、その400万円以上の男性がなかなかいないのです。

今の時代、男性でも非正規の社員なら年収は200万円台が圧倒的に多いです。非正規社員が多い今、最初から結婚をあきらめている男性も多いです。

女性もなんだかんだといって最後は金です。金の無い男性と一緒になろうなんていう女性はめったにいません。



2.結婚する必要がないから

逆にお金のある人は結婚の必要性を感じていない人が多いです。

今の時代は便利になりました。家事を手伝ってもらうだけの理由なら、結婚する必要はありません。むかしは誰かが家事をしてくれないと「身が持たない」という状況がありました。それで結婚したと言う事実もあったのです。

「飯炊き女」とか「家政婦」とかと言われながらも結局愛し合って子供ができて家庭を築いたのです。

しかし今は「飯炊き女」は必要ありません。コンビニに行けば深夜でも好きな食べ物が買えます。掃除や洗濯も小額でやってくれるサービスがあります。逆に結婚したほうが金がかかるのです。だから家事のために結婚する人はいないのです。

では、純粋に「好きだから」結婚するのはどうか。好きなら結婚せずにたまに会っていたほうがいいのではないでしょうか。結婚すれば現実が待っています。結婚せずにたまに会ってお茶でも飲んだり食事でもしたほうが関係は長続きすると思います。たまに会うとロマンチックな気分になりますが、毎日一緒に生活するとロマンは消えて無くなります。だから好きだからという理由だけで結婚する人も少ないのです。

性欲のために結婚する必要はあるだろうか。

むかしは社会が閉鎖的で、結婚しない限り性行為をしてはならないような風潮もありました。また、今のように性サービスが発達していない時代なら、結婚しない限り女性と交わることができませんでした。

だから性のために結婚するという事情が大真面目に存在したのです。田舎では結婚の理由の大半は性欲に基づいた行為のためだったと思います。

今は男性であれば、小額のお金で誰でも気軽に性サービスを受けることができます。もっと安く済ますなら、アダルトビデオを借りれば充分です。今のAV女優は現実社会で出会うどんな女性より綺麗な人ばかりです。

性のこどだけなら結婚するよりそれらの商品やサービスを利用するほうがよほど安上がりです。

このような理由で、結婚したい男性には金が無くて女性が寄り付かず、逆に金のある男性は必要性がなくて結婚しないのです。

結婚さえすれば成り行き上、いきさつで子供ができるという可能性は高まりますが、結婚する若い男女が少ないのですから子供が生まれる可能性はほとんどありません。

前述の「未婚の母」を許容するしかないのでしょうか。

若い男女が結婚して子供を産む最適解

そろそろ結論です。

実は若い男女が農業や漁業など第1次産業に従事して、家業として協力して生活を営めば子供はどんどんできます。断言できます。

だから、今後の食糧問題の解決も兼ねて、第一次産業で働く若い男女をどんどん増やす施策を思いっきり推進すれば少子化は解決するのです。

全人口の8割がサラリーマンという、今の非常識な日本の社会構造が実は問題なのです。

サラリーマンが多いから年収で生活レベルが決まる。そして男女の希望にミスマッチが生まれるのです。



農業や漁業に従事する若い男女が必要に迫られて結婚し子供を作る

サラリーマンをやめて農業や漁業に従事すればサラリー(収入)という概念が変わります。ある程度自給自足ができれば収入はそれほど要らないのです。

例えば住む所がただで、自分の畑で取れた野菜を主に食い、物々交換で肉や魚も時々食える。付近には娯楽がないが、地域のコミュニティーが充分で地域のイベントなどの楽しみも時々ある。そこで男女の出会いがある。

女性も農業従事者で体力のある男がいれば結婚して畑を増やしたいと思っている。年収なんていう概念はない。必要なのは体力。

農業なら畑を増やすために、漁業なら養殖所を広げるために労働力が必要になります。協力者が必要になります。ここでの若い男女は生活を作るパートナーなのです。

農業や漁業の世界では、収量を増やしたり経営を大きくするために一番必要なのは労働力です。子供をたくさん作り、子供のうちから手伝ってもらえば小さな労働力でも助けになります。やがて子供は一人前になり、大きな労働力になり、経営のあらたなアイディアも出します。一家が大きくなり繁栄します。

本当はこのような「家業」をベースにした大家族があってこそ自然に子供が増えるのです。労働力としての必要性があるからこそ、結婚もし、子作りにも精を出すのです。

農業、漁業だけではありません。家族経営の旅館でも、商店でも本当は何でもいいのです。しかし、現在では商業やサービス業は大手事業者の一人勝ちです。小規模事業者は勝てません。

しかし、第一次産業ならどうにかなります。基本的に食っていければいいのですから、どうにかなりやすいのです。商業主義で農業はできません。農業は土とともに生きる人がいて成り立つのです。

今の日本で、本気で子供を増やしたいのなら、方法は2つしかありません。

  1. 若い未婚の母と子供をもっとみんなでかくまってあげる。
  2. 国策で農業・漁業に従事する若い男女を増やし地域生活を作る支援をする

2つのうちのどちらか、あるいは両方を直ちに実行する政治家が現れなければ、あとはヨーロッパの国々のように外国人移民を入れるしかなくなるでしょう。

ごきげんよう。


【関連性の高い記事】



この記事があなたのお役に立った場合、下の「いいね!」をクリックして頂けると、たいへんはげみになります。

【あわせて読みたい】


同じカテゴリーの最新記事5件


「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。


記事のカテゴリー/タグ情報

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*