かぶとたいぞうです。
株式長期投資で最も大切なものは、投資家自身の忍耐力です。
ちょっとした株の値動きでうろたえてしまったり、右往左往してしまう人は長期投資に向きません。
グロース株投資には強い精神力が必要
特に配当の無い、あるいはほとんど無い成長株(グロース株)の場合、売買益しか見込めないので株の乱高下に神経をすり減らしてしまう人が多いです。
「虎の子」の100万円を成長株に投じて、その株が半値になっても、狼狽売りせずに我慢できる人がどのくらいいるでしょうか。
バリュー株長期投資は気が楽
それに対して、配当のしっかり出ているバリュー株への長期投資は精神衛生上も気が楽です。「株が上がるのも良し、下がるのもまた良し」なのですから。
バリュー株長期投資はバイ・アンド・ホールド、買ったら手放さないのが基本です。売らないのですから、株価が上がっても下がっても、損も得もありません。得は配当だけです。
バリュー株長期投資では株価が上がっても良し
しかし、買った時より株価が上がっている状態というのは、考えようによっては得なのです。
例えばAさんは5年前に6000万円の現金を持っていて、その内の半分、3000万円をある米国株に投じたとします。1株1万円(約100ドル)の株を3000株買ったとしましょう。
株価が上がっても得は実現しないが
5年後の現在、買った株が1株2倍の200ドルまで上がり、3000万円分の株の評価額が6000万円になったとします。
現在Aさんの金融資産評価額は合計で9000万円(株評価額6000万円+現金3000万円)です。でもAさんは持ち株を売るつもりは無いので、株価の評価額6000万円は架空のものであり、あくまでも自分の実質金融資産は合計6000万円だと思っています。
株価が上がった後に買った人と比べると
いっぽうBさんは5年前に同じく現金6000万円を持っていたものの、株式投資に懐疑的で、そのまま預金していたとします。
5年経った現在、Bさんは利息が付かない預金よりも米国株の長期投資のほうが報われると思い直し、ようやく株を買う決心がついたとしましょう。
そこでAさんが持っている株と同じものを同じ株数買ったとします。1株2万円なので、3000株ならちょうど6000万円です。
この時点で、Aさんが持っているのは3000株と3000万円、Bさんが持っているのは3000株のみ。AさんはBさんより現実的に3000万円多く持っているのです。
やっぱり株価が上がると得をする?
Aさん自身も、「もし5年前に株を買わず、今になって同じ株を同じ株数買っていたら確かに現金3000万円を失っていただろう」と思うのでした。
逆に言えば、この5年間で3000万円得をしたことになります。しかも現金を得たわけではないので税金もかかりません。二重の得です。
上がった株を買わなければ成り立たない話だが
もっともこの話は、「もし2倍の2万円になった株を買えば」の話であり、「そんなに上がったら買わない」という選択肢もあるのです。だから一概に「得をした」とは言えないかもしれません。
でも、世の中には2倍に値上がりした株でも買う人は確実にいるのです。いるから値がつくのです。
まぁ、いずれにしても自分が買った株が上がっているという状態は悪いことではありません。少なくとも悪い気はしません。
「下がるのもまた良し」とはどういうことか
「株が上がるのも良し」は分かったとして、では「下がるのもまた良し」とはどういうことか。
私のようにまだまだ株を買い足したいと思っている人にとっては、株価が下がるのは絶好の買い足しのチャンスなのです。
私は既に結構な株を持っていますが、自分が持っている株の時価が上がることより、株価が下がって買いのチャンスが訪れることのほうが嬉しいです。
株が下がっても配当は下がらない
私の所有株は食品、医薬品、日用消耗品など、生活必需品ががほとんどです。株価が下がっても配当は減らないのです。人気や事件によって株価が高下しても、売上や利益にはあまり影響がないからです。
だから、株価が下がっても買い足しやすくなるだけで実害は何もありません。
グロース株は株価の乱高下にヤキモキ
成長株(グロース株)の値上がりで儲けようとしている人は、株価が上がれば売り時を逃すまいと緊張し、株価が下がれば損をしたと思って狼狽します。それの繰り返しだから、よほどタフな人しか生き残れません。
それに比べると、私が持っているような景気に左右されない優良企業への長期投資は、「株が上がるのも良し、下がるのもまた良し」という気持ちになりやすく、誰でも安心して長く続けられると思います。
日本たばこ産業の株が下がっても動揺せず
ちなみに私がかつて1株平均3300円で買った日本たばこ産業の株は、現在2000円程度まで下がっています。しかし、いささかも動揺していません。日本たばこ産業が配当を出し続けているからです。
もし日本たばこ産業の株がもっと下がってくれたら当然買い足します。
バリュー株長期投資家の気分とはこんなものです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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