キングスフィールド2、懐かしいプレイステーションのゲームを再び

かぶとたいぞうです。

私が初めて出会ったコンピューターゲームは「表参道アドベンチャー」という文字ベースのアドベンチャーゲームでした。

もし知っている人がいたら、結構な年齢の人でしょう。



MZ700と表参道アドベンチャー

私は当時出始めのパソコンの1つである、シャープのMZ700という8ビットコンピューターでそのゲームを遊びました。

ゲームと言っても、今のようにDVDなどの媒体で提供されたものではありません。まだフロッピーディスクすら無い時代です。

当時のパソコンファンならみんな読んでいた「アスキー」という名前の雑誌に掲載されていたソースコード(マシン語)を自分のパソコンにキーボードで打ち込んだのです。

友人と協力してソースコードを打ち込み

ソースコードがあまりにも長いので、パソコンを持っている友人たちと分担して打ち込み、音楽用のカセットテープに音録音して保存し、ダビングしてみんなで共有ました。

当時のパソコンは8ビットなので日本語は使えません。英単語や矢印キーなどでゲームを進めます。今の人にはまったくイメージがつかめないと思います。



表参道アドベンチャーの概略

画面に「You are in front of building」と表示され、プレイヤーが「go」と入力すると「which direction?」などと表示され、プレイヤーが「straight」と入力すると、「There is a door」と表示される感じです。

こんな感じで、いろいろな英単語を入力してどんどんビルの中に入って行き、謎を説いていくのです。

絵もなければマップもありません。文字だけです。

そんなゲームに私はハマり、何日も徹夜しました。

その後の私のゲーム人生

その影響で私は後にコンピューターメーカーに入社したのですが、当時一緒にソースコードを分担して打ち込んだ友人らも、みんなコンピューターメーカーに入社しています。

以来、私のゲーム人生が始まりました。

今までに私がハマった懐かしいゲームはたくさんあります。

私が特にハマったのはアドベンチャーゲームとかRPG(ロールプレイングゲーム)と呼ばれる分野です。

この分野は当時米国が進んでいました。



米国で誕生したウィザードリー

「ウィザードリー」というゲームは当時としては画期的で、画面にビジュアルなダンジョン(洞窟)が表示され、そこをどんどん進んでいくのです。そして難解な謎解きをしながら冒険を進めます。これには何日も徹夜しました。

ドラゴンクエストとファイナルファンタジー

しばらくし、私が社会人になった頃、任天堂のファミリーコンピューター向けにエニックスがドラゴンクエストを発売しました。

初代のドラゴンクエストには多くの人が絶賛しましたが、既にウィザードリーシリーズをやり尽くしていた私には、それ程の感動はありませんでした。

むしろ私が感動したのはスクエアのファイナルファンタジーの世界観のほうでした。

その後私はファイナルファンタジーをやるためだけに、プレイステーション、プレイステーション2、プレイステーション3と買い進んだのです。



キングスフィールド2との出会い

さて前置きが長くなりましたが、今日私が書きたかったのはファイナルファンタジーの話ではなく、「キングスフィールド2」というダンジョンRPGゲームの話です。

これには感動しました。

私は出たばかりのファイナルファンタジー4をやりたくてソニーのプレイステーションを買ったのですが、ある日、ゲーム屋さんで「キングスフィールド2」というゲームを偶然発見しました。

ジャケットの絵などから、私は懐かしいウィザードリーシリーズを連想し、さっそく買ってみました。

ところがこれがクセ者でした。

キングスフィールド2

ゲームを起動すると、画面には何やら暗い海岸が映し出されました。

波の音がします。

何をしたらいいのか分からず、プレイステーションのコントローラを適当に動かしていたら、いきなり「アアアー!」と言って海に落っこちて死んでしまいました。ゲームオーバーです。

どうして死んだのかさっぱり分かりません。



キングスフィールド2の第一印象

再度ゲームを起動して慎重にあたりを見ましたら、どうも海の中に浅い所があり、そこを漕ぐように歩いていけば移動できるような感じです。行ってみました。

するとまた「アアアー!」と言って死んでしまいました。

どうして死んでしまったのかさっぱり分かりません。これはいわいる「クソゲー」確定だなと思い、遊ぶのをやめました。

キングスフィールド2への諦め

それからしばらくして、なんとなく気になったので再度キングスフィールド2を起動してみました。

最初の場面でまっすぐに陸地のほうへ進んでみました。すると今度は落ちずに済みました。よく見ると、海には深いところと浅い所があるようです。画面が暗くてよく見ないと分からないのです。前回はまっすぐ行かず、いろいろ見回したのが失敗の原因でした。

陸地にたどり着いたので、もう安心と思って少し歩きました。すると釣りをやっている人がいたので近づいてみました。

キングスフィールド2:kabutotai.net

釣り人に話しかけたら、よく分からないことを言われましたが、まぁ別にいいやと思って先に進もうとしたら、大きなトンボが出てきました。

「夜にトンボが飛んでいる」と思って見ていたら、そのトンボが自分に攻撃してくるのです。

「トンボも攻撃するのか」と想っているうちに、

「アアアー!」

死にました。

「じゃぁ、どうしてここにいる釣り人は死なずにのんびり釣りをしているんだ〜!」

もうこのゲームは諦めて中古屋に売ってしまおうと思いました。



キングスフィールド2の転機

転機が訪れたのは、それから1ヶ月くらい後のことでした。

当時私は既に経営コンサルタントとして独立しておりましたが、関与先の社長にゲーム好きな人がいました。

ある日、その社長と食事をしながらゲームの話になりました。

2人ともファイナルファンタジーのファンだったので話ははずみました。私がファイナルファンタジーは1からやっていると言うと、社長はたいへん驚いて喜びました。実は玉ねぎ剣士が強いとか、シドの飛空艇とか、話は尽きませんでした。

その社長も私と同じで、よほどゲームが好きなのです。歳も私と同じくらいの若い社長でした。

ひとしきりファイナルファンタジーの話をした後で、その社長が私に言いました。

「ところで、キングスフィールド2って知ってますか?」

突如出てきたキングスフィールド2の話題

私は少し驚きました。私以外にキングスフィールド2を持っている人がいたのかと思ったのです。

「はい、持ってます。「アアアー!」ってすぐに死ぬやつですね。すぐに死んでしまうので、ほとんどやってませんが」

すると社長が喜んで言いました。

「そうでしょう。「アアアー!」ってね。あれは難しいですよね。奇妙なゲームですよね。私なんか大きなタコが出てきた時に恐ろしくて吐いちゃいました」



キングスフィールド2の大ダコ

「大ダコが出てくるんですか?で、本当に吐いたんですか?」

私が面白がって聞くと、社長は興奮気味に答えました。

「まだ大ダコの所まで行ってませんか。私はゲームをやって吐いたのはこれが初めてです。比喩や例えではなく、本当に吐いたのです。海岸を少し歩くといきなり大ダコがいるのです。私は驚いて逃げようと思ったのですが、後ろを振り向いている間に後ろから攻撃されて一撃で死にました。その時にあまりにもショックで本当に吐きました。本当に吐いたのです!」

私は驚きました。

キングスフィールド2をやって本当に吐くのか

いくら恐ろしくても、いくら驚いたとしても、ゲームをやっていて本当に吐くのだろうか。3D酔いで吐いたのではなく、恐ろしくて吐いたのか。

その夜私は酔って帰りましたが、家に着いたらすぐにキングスフィールド2を起動しました。1ヶ月ぶりです。



キングスフィールド2の大ダコ発見

海岸に社長が言っていた大ダコを発見しました。やはり一撃で殺されました。でも、確かに驚いたし恐ろしかったのですが、吐きはしませんでした。

社長はやっぱり大袈裟に言ったのか。それとも私が大ダコがいるのを知っていたからそれほど驚かなかったのか。

まぁ、いずれにせよ、それがきっかけでキングスフィールド2を再開することになりました。

キングスフィールド2レベル10

ゲームを進めてレベルが10になったとき、社長の会社に行く用事があり、キングスフィールドの話になりました。

社長はレベル13まで上げたと言うのです。そして私がまだ見ていない場所や仕掛けの話をするのです。

社長の話に触発されて私は先を進めました。

それからと言うもの、社長と私は合うたびにお互いのレベルを確認し合い、競うようにキングスフィールドを進めました。

キングスフィールド2にハマった日々

もともと凝り性の私は何日も徹夜し、社長のレベルを越えてしまいました。そして私はとうとうゴールしました。社長も少し遅れてゴールしました。

攻略本もインターネットも無い時代です。けっこう時間がかかりました。

お互いゴールした後で2人で酒を飲んで感想を話し合いました。

キングスフィールド2で一番難しかったのは

2人とも手こずったのは、どこかで見た絵がヒントとなる門のカギでした。確かにどこかで見た絵なのですが、どこにあったか分からず、今まで行った広いキングスフィールド2のマップをすべて歩きなおしました。

当時はキングスフィールド2をやっていた人があまりいませんでしたので、これらの話しなども他の人には分からない、2人だけの楽しい話でした。

キングスフィールド2はランキング外

今現在も、プレイステーションゲームのおすすめランキングなどにキングスフィールドシリーズはめったに出てきません。難しすぎて人気がないのです。

でも私にはその難しさが初期の頃のウィザードリーを彷彿させ、たまらなくハマるのです。

こんな難しいゲームはそれ以降も発売されていません。

キングスフィールドは2が一番難しくて恐ろしい

キングスフィールドはその後、1も3も4もやりましたが、2が一番難しかったです。

それに高いところから落ちる恐怖と飛び越える喜びは2にしかありません。

紫電を偶然発見した時は、身の毛がよだちました。

キングスフィールド2。懐かしい。またやってみたい。

3日前、私はアマゾンで中古のプレイステーションと中古のキングスフィールド2を見つけて注文しました。

それが今日届きました。

ごきげんよう。


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