タイの日本食レストランなどの投資詐欺にご用心

かぶとたいぞうです。

タイでは今、飲食店のオーナーになる関係の投資詐欺が流行っているらしいです。



出資金だけ出せば、全自動で儲かる日本食レストランのオーナーに

要は、日本円で数千万円から5千万円くらいの開業資金さえ出せば、あとは全自動。プロの支援者がタイの立地の良い場所を探して日本料理店を出店させ、従業員も採用して全て指導するので、出資者は何の苦労もなく儲かる日本料理店のオーナーになれるというような話です。

数千万円から5千万円の初期投資は毎年の利益ですぐに回収するという収支目論見。回収後は儲かり放題という「ボロい」話です。

玄人(くろうと)なら、さわりを聞いただけで胡散臭(うさんくさ)い話だとすぐに分かるのですが、素人はころっと騙されるようです。

日本で開催される、老後をタイで暮らしたいという人を対象としたセミナーで勧誘を受けるパターンと、タイで知り合った日本人から勧誘を受けるパターンがあるようです。

ちなみに、外国で日本人に会うと、つい心を許して信じてしまう人がいますが、私は逆です。

海外では日本人に一番気を付けています。私のほうから話しかけることは滅多にないし、話しかけられても挨拶のみで仲良くならないようにしています。相手がどんな人か分からないからです。気を許さないようにしています。

ただし、飲食店の経営者、ホテルの経営者など素性が分かっている人、所在がはっきりしている人は別です。

日本にもフランチャイーズ詐欺がたくさんある

飲食店の出店詐欺は日本にもあります。フランチャーズ制度を悪用した詐欺では、架空の収支モデルを提示し、あたかも儲けを保障するかのような提案をします。

しかし、実際は高額な出店費用、建築設計、内装工事費用、設備投資、仕入れ、指導料などを取るだけ取って、収入は保証しません。

分厚い契約書をよく読めば、「利益や収入などを一切保証しない」と、ちゃんと書いてあります。

店をオープンして赤字が出ればそれは「営業努力が足りないからだ」と言われて追加の高額なコンサルティング料を請求されます。店を閉じればこれまた高額なペナルティーが科せられます。進むことも退くこともできません。

いま、フランチャイーズ契約に関する訴訟は日本国中にあります。日本でも訴訟になれば大変なのに、ましてタイでそのようなトラブルに巻き込まれたらお手上げです。たいていは泣き寝入りではないでしょうか。





詐欺に騙されるほうにも問題がある

「儲け話」に騙されるのは、騙されるほうにも問題があります。「楽して儲けよう、自分だけ儲けよう」と思っているから騙されるのです。

そもそも飲食店を経営するのは日本でもタイでも大変なことなのです。タイだから簡単だという理由はどこにもありません。むしろ外食文化が根付いているタイのほうが競争は厳しいと思います。

日本食レストランが儲かると思って出店する人が多く、今では世界中に日本食レストランが乱立しています。そして今やタイにも安くてそこそこ美味しい日本食店はたくさんあります。

タイというなじみの薄い土地柄で、誰かに商売をさせて自分は何の苦労もなく毎月一定の利益を得ようなどと「虫のいい」魂胆をもつから騙されるのです。

「騙される人」というのは、いつも浅はかな私欲を持っています。生真面目(きまじめ)な人が騙されることはありません。詐欺師も「人を騙して自分だけ儲けようというような人が一番騙しやすい」と言っています。

騙しのキーワード「今だけ、あなただけ」

騙しのキーワードはいつも「今だけ、あなただけ」です。

どうして今だけなのか、明日ではダメなのか、どうして1ヵ月後ではダメなのか。

なぜ私だけなのか。そんなに儲かる話を、昨日今日知り合ったばかりの私にだけ、どうして教えるのか。

少し考えると誰でもおかしいと思うのですが、騙される人には分からないのです。欲の皮が突っ張って正常な思考ができなくなっているからです。

相手が自分を騙そうとしているのか、それとも自分のために助言してくれているのかを見分けるチェックポイントは次の通り。



詐欺を見分けるポイント

  1. 一度断ってもしつこく提案してくる
  2. 今すぐ決断しなければ他の人に取られるなど期限を迫る
  3. 知り合って間もないのに儲け話をする
  4. 関係する有名人の名前を次々に上げる

これらのうち1つでも該当するものがあれば、相手は詐欺師か自分を騙そうとしている人と見て、ほぼ間違いありません。

胡散臭い儲け話より米国株式

胡散臭い儲け話に乗るぐらいなら、米国株式の長期投資をおすすめします。上場株というのは厳しい上場審査を通過しているので、胡散臭い要素は何もありません。経営情報はガラス張り、事実でない事を1つでも発信すれば、世間からたちまち厳しい追及を受けます。だから投資対象としては一番安心なのです。

ところが不思議なことに、詐欺にあうような人に限って「株式投資はリスクがある」とか「恐ろしい」といって嫌うのです。

株式投資はそれほど儲からないかもしれませんが、長期安定して配当を得られます。



商売で年間5%の投資対純利益率を出すのは難しい

私も本業でいろいろな事業を体験しましたが、飲食店でもホテル経営でも不動産でも、実は意外とリスクは大きく、利益を確保するのは難しいのです。

アパート経営なんて、入居率は安定していないし、修繕費は思っていたよりかかるのです。

どの事業でも安定して年間5%(税引き前)の投資対効果(純資産対純利益率)を確保するのは難しいです。利回り10%とかとうたっているのは、たいてい何かが抜けています。楽観的な入居率や入店率、客回転率、計上されていない修繕費や所得税、土地・建物の価値減少の無視、などによってかろうじて10%を繕っているのです。

米国株なら税引き前5%の配当も狙える

それらの事業に投資するなら、むしろ優秀な経営者が切磋琢磨している上場株に出資するほうがよほど健全です。配当率の高い企業なら税引き前で5%くらいの配当を出します。

人間は歳を取れば体力が衰え自分では商売ができなくなります。特に飲食店なんかは、結局は自分が店に立たなければなりません。人に任せれば金がかかるし騙されることもあります。

繰り返しますが、変な投資をするなら米国株長期投資をおすすめします。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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