かぶとたいぞうです。
少し前にPMフィリップモリスの第2四半期決算が発表されました。前年同期比に比べ売上も利益も減少しました。
PMフィリップモリスの第2四半期決算は良かった
もちろんコロナの影響です。しかしコロナの影響を受けたにも関わらず、予想を遥かに超えた好成績で、利益もしっかり出しました。それを受けてPMの株価は持ち直してきました。
紙巻きタバコの売上は大きく減少しましたが加熱式タバコの売上はむしろ上がっています。
コロナ下でもしっかり利益を出すPMフィリップモリスはキャッシュ・カウだ
コロナの影響を大きく受けてもちゃんと利益を出すフィリップモリスはやはり「金の成る木(キャッシュカウ)」でした。
タバコは利益を出せるのです。今の世の中でタバコ会社が利益を出せる理由を列挙すると次の通りです。
今の世の中でタバコ会社が利益を出せる理由
- 利益が出なければタバコを値上げすればいいから
- いくら値上げしてもタバコをやめない人は世界中にたくさんいるから
- ニコチンの依存性は極めて高く、タバコは容易にやめられないから
- 無駄な広告費や人件費をいくらでも削れるから
- 衰退産業なので新規参入がなく、競争があまりないから
- 喫煙者は自分の好きなタバコしか吸わないので客の取り合いが無いから
- 生産設備は既に十分で、それほど多くの新規設備投資は要らないから
以前、中小企業診断士の勉強をしていた頃、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス)という理論を学びました。
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス)とCash cow
むかしボストン・コンサルタント・グループが提唱した「自社商品のバランス理論」で、古典理論といえども基本は今でも通用します。
要は儲かる商品と新規チャレンジ商品を適切にバランス良く持たないと資金が枯渇するという理論です。
その理論の中で「もっとも儲かる商品」を「金の成る木」と呼ぶのです。「金の成る木」は和訳です。英語では「キャッシュ・カウ(Cash cow)」(現金を出す牛)と言います。
衰退分野の商品が儲かる
この理論で私が新鮮な驚きを受けたのは、「いちばん儲かる商品は、成長分野の商品ではなく、衰退分野の商品である」という点でした。
それまで私は成長分野の商品、流行りの商品が儲かると思っていたのです。ところがPPM理論ではこう説明するのです。
PPM理論:衰退分野の商品が儲かる仕組み
「成長がストップして、衰退していき、誰もその分野に新規参入しなくなった時に、いちばんシェアを持っている企業なりブランドが絶大な利益を得る。もう競争もないから宣伝も営業もいらず、設備投資も要らない。それでもその商品を使い続ける人が一定数いれば、利益はいくらでも搾り取ることができる。まるで毎日現金を絞ることのできる乳牛のようなものだ」
PMフィリップモリスのことを言っているような気がしませんか。
タバコをやめない人は絶対にやめない
ここ札幌は喫煙率の高い地域です。街中には禁煙条例があり、外でタバコを吸ってはならないはずなのに、いろいろなところで隠れタバコをしています。
タバコを吸う人たちはどんな方法を使ってもタバコを吸います。絶対にタバコをやめません。タバコをやめるという選択肢は無いようです。
私には確信があります。タバコ会社は決して潰れないだろうと。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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