かぶとたいぞうです。
10月1日より食品以外の消費税が上がります。
酒や消耗品など10%に上がるものを今のうちに買いだめするむきもあるようですが、前回の消費税増税の時ほどの需要はありません。既に消費者の買い控えが始まっているからです。
前回は景気がいい中での増税だったので「今のうちに買いだめしよう」と思う人が多かったのですが、今回は不景気の中での増税です。買いだめする余裕がないのです。
「2%しか上がらない」×
8%だった消費税が10%に上がるのを指して「2%しか上がらない」と言う人がいますが、それは間違いです。
8%に対して2%は25%に相当します。つまり消費税が25%上がることになるのです。「2%しか上がらない」のではなく「25%も上がる」のです。
例えば、1000円のものを買ったら今までは消費税は80円でした。それが今後は100円も取られるようになります。80円が100円になるのです。25%アップなのです。
80円とか100円の話をしても全体のボリュームがつかみづらいので、一般的な家庭の1年分の家計消費支出でみてみましょう。
年間で3万円以上あがる
年収400万円の家族が年間300万円を消費するとして、そのうち家賃が100万円、外食を除く食費が25万円だとすると、おおざっぱに計算して残り175万円が今回の増税の影響を受けます(保険も無税ですが割愛します)。
175万円の8%は14万円です。175万円の10%は17万5千円です。今まで14万円取られていたのが25%増しの17万5千円も取られるようになるのです。1年間で3万5千円も税金を多く取られるのです。外食何回分ですか。
消費税が上がればまず最初に外食が減るでしょう。不要不急のものは買わなくなるでしょう。旅行も娯楽サービスも我慢するでしょう。安いところでしかモノを買わなくなるでしょう。
買い控えでどんどん潰れる中小企業
価格競争に勝てない小規模小売店、飲食店、サービス業はどんどん潰れてゆくでしょう。
日本は諸外国に比べ中小企業が多いのが特徴です。今までは「日本の産業を支えるのは中小企業だ」ということで中小企業庁まで作って中小企業を守ってきました。ところが最近は政府関係者の口から「競争に耐えられない中小企業には退場して頂く」みたいな発言が平気で出てくるようになりました。政府は中小企業を見捨てる方針に舵を切ったようです。
消費税を上げれば税収全体はむしろ下がる
圧倒的な数の中小企業がどんどん潰れるような時代になると、法人税収が落ち込むでしょう。中小企業で働く多くの労働者が職を失うので所得税収も減るでしょう。逆に失業者が増えるので失業保険の支払いが増えるでしょう。
不景気になれば企業の設備投資も減るので固定資産税も減るかもしれません。年寄りが貯金を使い果たせば相続財産も減るので相続税収も贈与税収も減るかもしれません。タバコもやめ、酒も我慢する人が増えればタバコ税、酒税も落ち込むかもしれません。
政府は消費税を上げたことにより一時的には増収になるかもしれません。しかし、中長期でみれば景気が悪くなり、他の全ての税金が減収になり結局は税収全体を減らしてゆくと思います。
目先の損得のために国全体が揺らぐことになるでしょう。
消費税10%への増税が日本経済衰退のターニングポイント
後の世に「消費税10%への増税が日本経済衰退のターニングポイントだった」と記されるでしょう。
政府関係者には楽観論者が多すぎます。「2%ぐらい上げてもたいした影響はないだろう」と考えているようです。庶民の生活を知らないのです。
給料も上がらないのに買い物をするたびに10%も税金を取られるのであれば買い物を我慢する人が増えるのは必然です。
ドンキホーテで1番高かったもの
先日ドンキホーテで買い物をした後、レシートを見て気づいたことがあります。
その日、私はそれぼど高いものを買わなかったはずなのに、会計が1万円を超えていたのです。何が高かったのかと思ってレシートをチェックしたら、一番高いのは消費税でした。
全ての商品が500円未満だったのに、最後に「外税 840円」と印字されていました。そうです。消費税が一番高かったのです。
10月1日以降は同じような買い物を1万円分すると、レシートの最後に「外税 1000円」と印字されるのです。10円でも20円でも安いものを必死に探して買っているのに、最後に1000円も取られるのです。買い物が楽しいわけがありません。
現状の8%でも高いのに、これが10%になるのです。消費が冷え込むのは火を見るより明らかです。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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