かぶとたいぞうです。
年金が足りなくて2千万円の貯金が必要だという話題が、まだ世間を引っ張っています。
この問題を選挙戦の争点にしたい野党と、懸命に火消しに走る自民党の舌戦は互いに的を得ておらず、滑稽にも見えます。
年金が足りないのは事実
年金が足りないなら足りないとはっきり認めて、ではどうするか、という解決策を議論するのが建設的な態度です。
年金の財源が不足し、受給額が減ることは、もうみんな知っていることですから。
しかし、報告書を受け取らないとか、報告書が無かったことにするというのは何の解決にもなりません。
自民党はとにかく火を消したいようです。年金の問題を選挙前にはしたくないのだと思います。
自民党は選挙前に年金問題を避けたい
どうして選挙前にこの話題を頑なに避けるのでしょうか。正々堂々と議論して、選挙で国民の賛否を問えばいいのです。
実は、自民党には、選挙前に明らかにしたくない秘密があるのです。
「年金財政検証」という報告書です。
先日、テレビ番組でタレントの人が「26万円の生活費に対して年金が21万円しか入らないなら、5万円の支出を我慢して21万円の生活をすれば良いだけではないか」と言ったそうです。
見ていた人は「そうだよね」と思ったことでしょう。21万円あればどうにか生活ができます。
私はテレビを見ないので、見た人から聞きました。
でも、それを伝え聞きした私には少し違和感がありました。
21万円の年金?そんなにもらえるのなら何の問題も無い。実際はそんなにもらえないのではなかったか。
確か我々の代では、年金は十数万円しかもらえないはず。どうやって十数万円で生活するのかが問題だったのではなかったのか。
年金額21万円の根拠を調べてみました。すると、それは夫の厚生年金と専業主婦の国民年金の合計額(モデルケース)の平均値を使っていることが分かりました。
しかし、その平均値は古いデータです。将来はもっと下がることを予想したデータがあったはずです。
それが「年金財政検証」です。
年金財政検証
厚生労働省は5年ごとに、公的年金の将来的な給付水準の見通しを示す「年金財政検証」という報告書を発表しています。
前回の見通しでも、すでに最悪のケースとしてモデルケースの平均的年金額は14万円程度まで下がるとされていました。私はその数値が実際の数値だろうと思っていました。
前回は5年前の6月3日に公表されました。しかし、今年はまだ公表されていないのです。
きっともっと下がる見通しになったのではないのでしょうか。または前回発表の最悪のケース通りになったとか。だから選挙前に発表したくないのだと思います。
40年も掛け続けた厚生年金と専業主婦の国民年金を合わせても月額10万円~ぜいぜい十数万円くらいしかもらえないような見通しになっているのではないかと推察します。
しかもモデルケースは妻が専業主婦で夫婦とも年金に加入している想定。
独身者や妻が年金に加入していない場合はもっと下がります。
今は「おひとりさま」が圧倒的に多いのです。専業主婦など滅多にいません。
政府の想定するモデルケースはいつもズレてます。
年金受給額は減るのが当たり前
少子高齢化により年金加入者が減っていくいっぽうで、受給者が爆発的に増えているのです。しかも年金の運用に失敗しているのです。
冷静に考えたら、受給予定額もかなり減っていることは誰にでも分かることです。
100年安心というのは、受給額を調整してどうにか100年もたせるという意味であって、月21万円の年金を保証するという意味ではないのです。
安心なのは政府のほうであって、国民ひとりひとりが安心だというのではないのです。
21万円の年金月額でもこんなに騒いでいるのに、これが十万円程度しかもらえないと知ったら国民はパニックになります。その状態で選挙をやれば自民党は惨敗するかもしれません。それを恐れているのでしょう。
自民党は「年金財政検証」の発表をわざと遅らせて、頑なに年金が足りない問題を裂け、このまま選挙戦に突入しようとしているように見えます。
この実体を見れば、年金受給予定額がさらに下がっているとみて間違いないでしょう。
将来もらえる年金額がけっこう下がるということは、実は少し勉強している人なら以前から知っていたことです。だからとっくの前に米国株長期投資などで手を打っています。
しかし、今回の問題がこんな大きな騒動になっているところを見ると、あまり勉強していない人も多いのだと思います。
多くのそういう人たちも早晩、年金受給額がもっと減ることを知らされます。
すると、みんな当然あわてて消費を抑えます。今まで脳天気に遊びに出ていた人も途端に家に閉じこもります。
月に1度の外食も、旅行も、車の買い替えも、子供の習い事も、ゴルフも、みんな我慢して貯金に走ります。
最悪のタイミングで消費税増税
そのタイミングで消費税が増税されるのです。
日本経済がどうなるかは、火を見るより明らかですね。
私は年金だけでは足りないことを以前から知っていましたので、黙々と米国株長期投資を進めています。
米国株長期投資のすすめ
この調子で行けば、月々の年金額より米国株の配当の方がだんぜん多くなります。
私は日本政府も信用していますが、私が株式を保有している米国企業のほうをもっと信用しています。
ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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