かぶとたいぞうです。
タイでは時間がゆっくりと流れます。だから人の動きもゆっくりです。仕事ものんびりです。同じ地球上なのに、日本とは時間軸がまるで違うようです。
チェンマイの郊外、のんびりした場所
いま私が住んでいるところは、チェンマイの旧市街の北西、ホイゲーオ通りに面した、カード・スワン・ゲーオというデパートから北側にけっこう入った、タイ人も多く住むローカルエリアです。
朝は小鳥の声に目覚め、夜は星がきれいです。通りも静かで、のんびりした雰囲気です。
昨年の秋に1ヶ月住んだアパートの経営者が、少し離れたこの場所に別棟のアパートを新築したので、今回はそこを借りて住んでいます。1階に2室、2階に2室、合計4室だけの、のどかな一軒家風の建物です。
完成したのは去年の12月。まだ2ヶ月しかたっていません。
建物の敷地は塀とゲートで外と仕切られ、敷地内には未完成の庭があります。
なかなか工事が進まない未完成の庭
完成すれば敷地内に美しい緑があふれ、さらにいい雰囲気になるのでしょう。楽しみです。
しかし、ここに住んで既に10日以上経ちましたが、工事はまったく進んでいません。10日前とまったく同じ状態です。いったいいつになったら庭ができるのでしょうか。
毎日午後になったら2人の作業人が来て、なにやらやっています。でも、作業は遅々として進みません。毎日いったい何をやっているのか。
少し作業をしては、なにか冗談を言って笑ってばかりいます。のんきなものです。
私もすることがないから部屋の中から2人の様子を観察してみました。
庭造りが進まないのはのんびり仕事だから
2人はのんびりです。1時間のうち、30分は休んでいます。
2人とも私が昨年の秋に住んだ、本館のアパートの従業員です。いつもは部屋の掃除をしている人です。2人は本館の掃除の合間に、ここにきて庭仕事をするよう言われているのだと思います。
2人にとってはいいサボり時間です。でも、別に問題はありません。それで成り立っているのだからいいのです。
掃除の合間にできる範囲で庭を造っているのです。速く終わらせても他にすることがありません。ゆっくり、ゆっくりやればいいのです。期限も決められていないと思います。タイではのんびりでも成り立つのです。
日本だと、完成までの期限が決められ、行程が決められ、1日の作業目標が示され、その計画に従って、厳しくチェックされ、少しでもサボったらしかられます。
私も日本ではそのように訓練され、そのような行動規範を身に付けたので、最初のころはタイ人がだらだらと仕事している姿に腹がたちました。
タイはのんびりでいいのです
でも、いまは腹が立ちません。
いまは私もタイ人と同じです。私はタイに老後生活をおくりに来たのであって、仕事をしに来たのではありません。観光旅行でもありません。リタイア生活をしに来たのです。
急いでしなければならないことは何もありません。
でも時々「私はタイでこんな生活をしていていいのか、こんなことをしていて大丈夫か」と不安になります。規則正しい生活を強いられていたころの後遺症です。忙しく時間を拘束されて常に何かをしていないと不安になる時があるのです。
日本は忙しすぎる、タイの時間の流れはゆっくり
日本で仕事をしていた時のような、忙しく細切れに管理された時間だけが時間の流れではありません。場所が変われば時間の流れも変わります。
タイでは時間の流れがゆっくりです。タイでは毎日がのんびりです。それで成り立っているのです。成り立てばいいのだと思います。タイではのんびりでも成り立つのです。
ごきげんよう。
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「カブとタイ」をいつもお読みいただき、まことにありがとうございます。
著者かぶとたいぞう拝。
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