かぶとたいぞうです。
安部総理が都内で講演し、年金の受給開始年齢の選択肢を70歳以上にまで拡大する方針を表明したようです。また意欲のある高齢者には70歳までの就業機会を確保したいとも述べたようです。
年金の受給開始年齢の選択肢を70歳以上にまで拡大する方針は以前からたびたび取り上げられているので何も驚くことではありません。ただ、「将来の社会保障の充実のため」との大義名分で行なった消費税増税の直後だけに、批判的に取り沙汰されているのだと思います。
すなわち、「けっきょくは年金の財源が足りないので、政府はいつまでも国民を働かせて年金を支給するどころか、いつまでも収めさせる魂胆だろう」との批判です。
働くのは70歳までで年金受給開始は70歳以上って?
そんなことより腑に落ちないのは、「就業機会の確保は70歳まで」なのに、「年金受給開始の年齢選択肢を70歳以上」ってのはどういうことかということです。
平たく言うと、働くのは70歳までで、年金の受給は例えば75歳からみたいなことを言っているのです。
70歳まで働くのなら、仕事をやめたと同時に70歳から年金を受給すればいいのです。それが自然です。
そして現行の制度でも年金の受給開始年齢は60歳~70歳までの好きな時期から選択可能になっています。
それなのに、どうして「70歳まで働けるようにします」という話と「70歳以上からの年金受給開始もできるようにします」という話が組み合わさったのか不思議です。
報道はこの件をどのように伝えているのか。以下に「テレ朝news」の報道記事をそっくり引用します。
テレ朝newsより引用
安倍総理大臣は東京都内で講演し、今後、取り組む社会保障改革について年金の受け取り開始年齢の選択肢を70歳以上まで広げる方針を改めて表明しました。
安倍総理大臣:「人生100年時代が到来するなかで、元気で意欲ある高齢者の皆様が増えています。8割の方が65歳を超えても働きたいという意欲を持っておられます。ですから、意欲ある皆さんには70歳までの就業機会を確保していきたい」
社会保障の財政が悪化するなかで、高齢者に就労を促して社会保障の支え手とする狙いがあります。また、安倍総理は「給付と負担のバランスも議論する」と述べ、痛みを伴う負担増の議論も排除しない考えを強調しました。
引用以上。
文章ではよく分からないところがあるのでyutubeでニュース動画を探して見ました。するとAbemaTVのニュース動画が見つかりましたので、安部総理の発言そのもの(肉声)を聞いてみました。
どうも、「働く意欲のある人は70歳まで働けるようにする」という話と、「年金の受給開始年齢の選択の幅を広げて70歳以上も可能にする」という話は別の脈絡の話だったようです。
70歳までの年金払い込みと70歳以上からの年金受給開始
察するに、安部総理が言おうとしているのは次の通りだと思います。
- 定年延長などの法整備をして希望があれば70歳まで会社勤めができるようにする
- その場合は70歳まで給与天引きで年金を納めることになる(年金財源の確保)
- 70歳で定年をむかえたら年金を受給してもいいし(現行どおり)
- その後も非正社員(嘱託、アルバイト)などで働いてもいい
- 収入があれば年金が削られるので、年金の受給開始年齢は70歳以上(75歳とか)も可能とする
おそらく、年金を納める期間を70歳まで延長しようというのは過渡期的な判断だと思います。今後は定年をさらに75歳、80歳とか延ばして年金の納入期間を延ばし、とにかく年金財源を豊富にしたいのだと思います。
だから、年金の支給開始年齢はどの場合でも通用するように、70歳上~80歳までとかあるいは期限無しで何歳からでも可とか、とにかく長めに設定すると思います。
終身保険に例えると、現行の制度は払い込み期間が60歳まで、受け取りは基本65歳から。60歳から受け取ることも可能。ただし3割引き。
今後は、払い込み期間を70歳まで可能。受け取りは何歳からでも可能ということです。さらに払い込み期間を75歳、80歳と延長するかもしれません。受け取り時期もそれに応じて遅くなります。
歳をとっても働くことはまことに結構
理にかなっているし、まことに結構なことだと思います。
ただし、「意欲があって65歳を超えても働きたい」人が8割もいるというのは、はなはだ疑問です。
「老後の生活費が足りないので65歳を越えても働かざるをえない」人のほうが多いのではないでしょうか。
そうだとしても、元気で働けるうちは働くというのも人生だと思います。
老後の生活は人それぞれ。年金の受給開始年齢も人それぞれでいいと思います。
私は繰上げで60歳から年金を受給
しかし、私は60歳から繰り上げ受給で年金をもらうつもりです。60歳からもらったほうが絶対にいいと思う理由があるからです。
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今の時代、早めのリタイアは多くの人にとって「夢」なのかもしれません。ほとんどの人は死ぬまで働き続けるしかないのでしょうか。
申し訳ありませんが、たくさんの人が65歳を超えても働いて私の年金の原資をしっかり確保してくれるのはたいへんありがたいことです。私はお先に老後の生活をエンジョイさせていただきます。みなさんのおかげです。
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ごきげんよう。
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著者かぶとたいぞう拝。
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