円に換算せずタイバーツで物価が分かるようになれば、もうタイの住民

かぶとたいぞうです。

その国の通貨に慣れないうちは、いちど日本円に換算して価格を計るしかありません。



パタヤの食堂のカオパットの値段が安いか高いか

例えば、パタヤの食堂でカオパット(チャーハン)が40バーツだとします。

多くの人は、1タイバーツは現在約3.6円、40×3.6=144円なので、日本で食べるチャーハンより安いと感じるはずです。

私がニューヨークに住んでいたころ

私が大学生の時、初めてニューヨークに住んだころは1ドルがまだ200円くらいでした。

初めて入ったマクドナルドでハンバーガーとコーラを頼んで6ドル取られた時、「こんなもんで1200円もするのか」と驚いたものです。

その後ニューヨークに長く住んでいる日本人と知り合いました。その人が言うには「1ドルは100円くらいだと思ったほうがいい。そうしないと感覚がつかめない」のだそうです。

なるほど1ドル100円で計算すると日本の物価と近くなります。でも私は確かに1ドル200円で両替したのだから、1ドル100円とは思えませんでした。

当時はそれ程円が弱かったのです。



ニューヨークに3ヶ月も住めば金銭感覚が身につく

ニューヨークに住んで3ヶ月もたてば、円に換算せずに、他のものの値段と比較して高いか安いかが分かってきました。

当時私がウィークリー(週契約)で借りていたホテルの家賃は1週間280ドル。1日につき40ドルでした。ちなみに現在のニューヨークはホテル代が高騰して、一泊100ドル以下の部屋を探すのは困難ですが。

その国の他のものの値段と比較する

宿泊代が1日40ドル。酒屋で売っている缶ビールが1.5ドル。近くのデリカテッセンで売っているサンドイッチが3ドル。近くのレストランの日替わりランチが6ドル。

このように主要なものの値段をベースにして、それと比べて高いか安いかを計るようになってきたのです。



ニューヨークの中華飯店の7ドルのチャーハンは高いか安いか

例えば初めて入ろうとした中華飯店で、チャーハンが7ドルだとしたら、「デリカテッセンのサンドイッチ2個分より高いな。近くのレストランの日替わりランチより高いな」と考えて入るのをやめるのです。

もう既に「1ドル200円なので7ドルなら1400円だな」とは考えません。「1ドル100円だとして考えても700円か」とも考えません。3ヶ月住んで価格の感覚が分かってきたのです。もう既に旅行者ではなくニューヨークの住民の金銭感覚になったのです。

パタヤでも他のものの値段と比較する

ここパタヤでも全く同じです。

私が今住んでいるアパートの家賃は1ヶ月1万バーツですから1日分だと333バーツになります。

ビールはコンビニで買うと大瓶で56バーツ(チャン)。近所のおかず屋で弁当を買うと35バーツ。近くの食堂でカオマンガイを食べると40バーツです。



パタヤの食堂の40バーツのカオパットは安いか高いか

初めて入ろうと思った食堂のカオパット(チャーハン)が40バーツだとしたらどう思うか。

「おかず屋の弁当よりは少し高いけど、カオマンガイと同じ値段。安くもないけど高くもない」と思うのです。

もう既に「1バーツ3.6円だから144円か」とは考えないのです。

日本円に換算すると安いと思って散財する

バンコクでもパタヤでも、繁華街で散財する旅行者は日本円に換算して安いと感じ、ついついお金を使ってしまいます。

バービアでビールの小瓶が80バーツだとすると、日本円に換算して「300円未満かぁ。女性のいる店なのに安いなぁ」と感じます。



にじり寄るバービア嬢

バービア嬢がにじり寄ってきて「アナタ、ワタシニモ、ノマセテ、シャッチョサン」と言うと1杯ぐらいならと思って飲ませるでしょう。喫茶店の「お冷や」のグラスに粉のオレンジジュースを半分くらい入れて120バーツも取るのです。しかしこれも「120バーツなら400円ちょっとじゃないか。安いもんだ」と思うのです。

すると他の女性も「ワタシニモ、シャッチョサン」と次々に寄ってきます。

パタヤのバービアで540バーツのお会計は安いか高いか

自分が飲んだビールが2本、プラス女性ドリンク3杯で合計540バーツ。消費税は必ず値段に含まれているし、サービス料も取られません。ましてや日本のようにチャームとかチャージとか「お通し」といった嫌らしいものは一切ありません。明朗会計です。

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計算通り540バーツと言われます。

ここでも「540バーツなら2千円いかないじゃないか。日本で女性のいる店に行ったらこんなもんでは済まない」と思い、チップもはずんでしまうのです。

うれしくなってもう1件。そしてもう1件。ハシゴ酒で一晩2000バーツ使ったとしても日本円に換算すれば7千円ちょっとです。

観光できたのだからそれぐらい使っても全く気になりません。日本の観光地で同じことをやったら1件目の店で1万円を越えるでしょう。



5日間のバービアの飲み代1万バーツは安いか高いか

そんな事を5日間やればバービアの飲み代だけで1万バーツになります。

1万バーツは私の金銭感覚では1ヶ月分の家賃です。

でも観光客にしてみれば5日分の安い飲み代に他なりません。

観光客ならそれ以外にホテル代、マッサージ代、その他女性を連れ出せばもっともっとお金がかかるでしょう。それでも日本円に換算すると、日本で遊ぶよりはずっと安いのです。

そのようなわけでタイに毎年リピートして来るたびに5万バーツも10万バーツも使うのです。

1回のタイ旅行費10万バーツは高いか安いか

旅行者は10万バーツを日本円に換算して「なんだ36万円じゃないか。年に一度のバカンスだ、ストレス解消だ、自分へのご褒美だ。安いもんだ」と思うでしょう。

しかしもう既に「タイの住民」になった長期滞在者にとって、10万バーツとは10ヶ月分の家賃であり、3ヶ月以上タイで暮らせるお金なのです。

観光でタイに来る人は大いにお金を使って下さい。日本の物価に比べたら安いものです。ケチケチしないで来たときにまとめて楽しんでください。観光旅行なのですから。

しかし、長期滞在者はそういうわけにはいきません。観光しているのではなく住んでいるのですから。

日本円に換算することなく、他のものの値段と比較して高いか安いかが分かるようになれば、もう既にタイの住民と言えるでしょう。

ごきげんよう。


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著者かぶとたいぞう拝。


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